はじめに
皆さんは”求人票”という言葉を聞いたことがありますか?
求人票は「職業安定法によって定められた労働条件を明示した書類」というように定義されています。
「皆さんがその企業に入社した際に受けられる労働待遇について書かれた書類」と考えればわかりやすいかもしれません。
給料はどれくらいもらえるのか?
勤務地はどこになるのか?
どのような職種での採用となるのか?
資格手当てなどは出るのか?
こういった情報が記載されています。
実際に求人票を眺めてみると聞いたことが無い難しい言葉がたくさん使われています。
正社員としての就業経験がない皆さんからすれば難しく感じて当たり前です。
とはいえ、入社後のミスマッチを防ぐためにも応募前に求人票に目を通しておくことは必要不可欠です。
このページでは求人票を見る際に押さえておくべきポイントとその意味について分かりやすく説明します。
求人票で見るべきポイント
求人票は大きく6つの項目から構成されています。「会社の情報」、「仕事の情報」、「労働条件等」、「選考」、「補足事項・特記事項」、「求人連絡・推薦数と採用・離職状況」です。
それぞれの項目で見るべきポイントを以降説明していきます。
会社の情報
①事業所名
求人票公開企業の正式名称が記載されている欄です。
漢字や読み方を間違えると相手企業からの印象が悪くなってしまうので、決して間違えがない様に記憶しておきましょう。
②所在地
会社の住所が記載されている欄です。
最寄り駅名と駅からの移動時間も明記されている場合があるので併せて確認しておきましょう。
③代表者名
事業所の代表者名(社長名)が記載されている欄です。
事業所名同様、漢字や読み方を間違えると相手企業からの印象が悪くなってしまうので、決して間違えがない様に記憶しておきましょう。
④従業員数
会社で働いている社員数が記載されている欄です。
会社の規模を把握するのに役立つ情報なので確認しておくようにしましょう。
⑤事業内容・会社の特徴
その会社が主として取り組む事業内容、会社の持つ特徴・強みが記載されている欄です。
事業内容を完璧に理解するのは難しいかもしれませんが、入社後の業務内容と直結してくる項目なので必ず目を通しておくようにしましょう。
仕事の情報
①雇用形態・職種
雇用形態と採用希望職種が記載されている欄です。
雇用形態は主に「正社員」、「正社員以外」、「有期雇用派遣」、「無期雇用派遣」の4種に分類されます。
どの雇用形態が良い・悪いということではありません。どの雇用形態が皆さんの求める働き方に合っているかという視点で眺めてみることが大切です。
職種は皆さんが入社後に従事する業務内容を表すので、必ず確認しておくようにしましょう。
②仕事の内容
入社後に従事する業務内容が具体的に記載されている欄です。
職種欄の詳細について記載されていると考えればわかりやすいかもしれません。
専門用語も多く出てくるので、完璧に理解することは難しいかもしれませんが必ず目を通しておかなければならない項目です。
働いているイメージがどうしても湧かない場合には職場見学に申し込むことをお勧めします。
③就業場所
入社後の就業場所が記載されている欄です。
事業所所在地と就業場所が異なることは十分にありえるので、必ず確認しておくようにしましょう。
④就業時間
入社後の就業時間が記載されている欄です。
複数の時間帯が記載されている場合にはどの条件での就業となるのか面接の際に確認してみましょう。
⑤時間外
早朝出勤や残業による時間外労働が記載されている欄です。
あまりに月平均時間が多い場合には注意が必要なので、面接の際に必ず確認してみましょう。
労働条件等
①賃金形態等
入社後の賃金の支払い形態が記載されている欄です。
賃金形態は主に「月給」、「日給」、「時給」、「年俸」の4種に分類されます。
どの賃金形態が良い・悪いということではありませんので、皆さんの求める働き方に合った形態を探してみましょう。
②通勤手当
通勤手当の有無・条件が記載されている欄です。
会社規定の計算方法で支給される場合があるので、面接の際に確認してみましょう。
③賞与
賞与の前年度実績が記載されている欄です。
賞与とは定期給とは別に労働者に対して支払われる給与のことを指します。
皆さんの場合には「新規学卒者の昨年度実績」の欄を確認するようにしましょう。
そもそも賞与がない会社もありますので、面接の際に確認しておくことをお勧めします。
④手取り額
手取り額が記載されている欄です。
手取り額とは会社から支給される総額である「額面給与」から税金や社会保険料を差し引いて残った金額のことを指します。
聞きなれない言葉がたくさん出てきて皆さん混乱していることと思います。「手取り額=会社から実際にもらえる金額」と考えれば分かりやすいかもしれません。
手取り額が高いほど皆さんにとっては魅力的な職場に映るかもしれませんが、それだけで判断するのは危険です。
仕事のやりがいや労働環境といった面もしっかりと視野に入れながら総合的に判断することが大切です。
⑤昇給
入社後1年間の昇給回数と昇給金額が記載されている欄です。
昇給回数が多く、昇給金額が高いほど皆さんにとって嬉しい条件であるといえます。
⑥休日等・有給休暇
休日制度と年間の有給休暇の取得可能日数が記載されている欄です。
「週休二日制」には次の3つの種類があります。
完全週休二日制を採用している場合:「毎週」
隔週週休二日制を採用している場合:「隔週」
前期以外の形態で週休二日制を実施している場合:「その他」
皆さんが生き生きと仕事をする上で、適切な休息を取ることはとても大切です。
進路指導の先生、保護者の方にも相談しながらしっかりと確認しておくようにしましょう。
選考
①選考日・複数応募
応募した際の選考日と複数応募の可否が記載されている欄です。
複数応募が可能な場合は、記載された期日以降他の求人との併願が可能となります。
②応募前職場見学
応募前職場見学の受け入れ可否が記載されている欄です。
応募予定の企業が職場見学受け入れ可能な場合は必ず参加することをお勧めします。
求人票だけでその企業の魅力・社風を100%理解することは不可能です。
入社後にミスマッチが発覚しては、皆さんも企業側も不幸になりますので、
職場見学をした上で、自分に合うと感じた企業に応募をするようにしましょう。
補足事項・特記事項
①補足事項・求人条件に関わる特記事項
会社側から皆さんに特筆して伝えておきたい情報が記載されている欄です。
会社毎に記載内容は異なってくるので、必ず確認しておくようにしましょう。
求人連絡・推薦数と採用・離職状況
①採用・就職状況
過去3年分の応募者数、採用者数、就職者数の実績が記載されている欄です。
採用者数に対して応募者数が多いほど、応募倍率が高くて入社が難しいことを意味します。
内定獲得の難しさを判断する1つの材料となるので必ず確認しておくようにしましょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
求人票を見る際に押さえておくべきポイントが整理できましたか?
先ほどもお伝えしたとおり、求人票だけでその企業の魅力・社風を100%理解することは不可能です。
職場見学に参加したり、進路指導の先生に相談するなどして自ら情報を取りにいく姿勢を大切にしましょう。
勤務地、事業内容、仕事内容、給与額、休日制度、応募倍率etc…
あなた自身が最も重視する条件を明確にし、その軸に基づいて応募企業を選定することをお勧めします。
たくさんの求人票に目を通して自分に合った企業を探してみてください。